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琉球王国の発展の過程から今の沖縄と日本を考える良書が新装版で蘇る

2018年6月11日

琉球王国の実態を探る上で新たな視点の投げ掛けとなった歴史家・上里隆史氏の著書「海の王国・琉球」の新装版「<新装版>海の王国・琉球『海域アジア』大交易時代の実像」(ボーダーインク)が、このたび刊行された。

「海の王国・琉球」は、2012年、“国境”という人為的なものではなく、“海域”という視点から琉球王国の形成と文化を説き、好評を博した。絶版となった同書だったが、読者の反響から、このたび、新装版としての発売が決定した。

上里氏は、まず、琉球や沖縄の社会・文化が形成される基盤ができたのは「古琉球」の時代と説く。「古琉球」は琉球史研究で、12世紀頃から1609年の薩摩侵攻までの時代を指す。

序章で先のような定義をして、「第一章 境界の鬼界島・異界の琉球」「第二章 港湾都市・那覇の形成」「第三章 琉球の大交易時代」「第四章 海の王国-この国のかたちについて」「第五章 交易国家・古琉球のたそがれ」、そして、「終章-古琉球とは何か」と続く。

サンゴ礁に囲まれた沖縄島で大型船が恒常的に寄港できる港湾として那覇と運天が発展を遂げた。その中で、都市の発展に関して必要不可欠なあるものがあったため、那覇が国際都市として最も適当な場所として利用されるようになったという。

このことを考えると、三山のうちに那覇を擁する中山が沖縄島の覇権を握ることになった経緯に合点がいく。

面白いのは、第四章で展開される「宗教」的視点。もともと宗教は伝播していく過程で土地土地の特徴によって変化していくものだが、琉球もその例外ではなく、「主体的な選択がなされ」た結果、「『琉球のもの』としかいえないスタイル」になったと説く。

北からも南からも世界中からの文化や渡来したものを、自分たちの考える“最良”のものに変えて自分たちのものにしてきた琉球の人たち。終章で上里氏は、多くの批判を受ける覚悟で大きな投げ掛けを行う。ただ、この投げ掛けが、今の世界情勢にも通じていて、読後に爽快感を覚えてしまう。琉球王国や沖縄を理解する“トビラ”のような1冊が、再び読める幸せを噛み締めたい。

「<新装版>海の王国・琉球『海域アジア』大交易時代の実像」
発売中 1,836円(税込) ボーダーインク