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沖縄の日常とエピソードから紡がれた琉球語の入門書

2019年7月1日

沖縄の言葉について言語的な観点から迫った新書「走る日本語、歩くしまくとぅば」(ボーダーインク)が発売中。

著者は、石川・金沢出身の学者・石崎博志氏。20年間、沖縄で暮らした経験を活かして、沖縄の言葉に関する著書を多く刊行している。本書は、「琉球語を歩く」と題された第一部から始まり、「方言札をはく」「走る日本語、歩くしまくとぅば」と続く構成の中で40のコラムを紹介。

“言語的な観点”といったものの、学術的な手法ではないので安心を。石崎氏の三線の師匠に稽古の合間にヒアリング、飲み屋さんで沖縄の人と雑談…こういった視点で事例を集めているため、親しみが持て、かつ、実際に使われている言葉から引用しているため説得力を持つ。

広告から引用した“首里のマンション・ポエム”、“おじいちゃん”と“じいちゃん”の使い分け、「来るはずよ」の「〜はず」や「〜だはず」が示す確率の差など、取り上げる視点も面白く、かつ、県外出身者からすると、「そうだったのか!」と気づかされる点も多く、単純な読み物コラムとしても楽しめる。

「方言札をはく」の第二部では、琉球語の変遷を事例に沿って紹介している。興味深いのは「身につける」を意味する「つける」の使われ方。帽子もメガネもズボンもスカートも、すべて「つける」と言っても違和感を覚えないという学生がほとんどだったそう。

そして、難読地名として引き合いに出されることが多い「為又」を、なぜ「びーまた」と発音するのかの私見や、“ひざまずき”と“正座”の違いも興味深い。

最後の「走る日本語、歩くしまくとぅば」では、「時計あっちゅん(時計が動く)」「車を歩かす(運転する)」「クーラー逃げる」など、比喩的表現やメトミニー(換喩)的表現などにも言及している。

何はともあれ、同書を書いた石崎氏に対してはもちろんだが、石崎氏にこのような視点を気づかせてくれた飲み屋さんで出会った沖縄県民たちに対しても、思わず感謝したくなる、そんな1冊。

「走る日本語、歩くしまくとぅば」
発売中 1,200円(税別) ボーダーインク