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西表島・船浮暮らしで育まれた池田卓からの生き方のヒント集

2020年5月5日

沖縄・西表島出身のミュージシャン・池田卓が島生活で感じた思いを綴るエッセイ「不便が残してくれたもの 西表島・船浮からのメッセージ」(ボーダーインク)が発売中。

池田は、1979年生まれで、西表島の船浮を拠点に活動するミュージシャン。2000年に「島の人よ」でデビュー。これまでにアルバム7枚、八重山民謡アルバム2枚を含む、12枚のCDをリリースしている。

池田が生まれた船浮は、西表島にありながら道路交通網から孤立して、船でしかアクセスができない、40人が暮らすエリア。陸路がつながっておらず、コンビニエンスストアや商店がないこの地域は、生活をするには“不便”と考えられがちだが、20代までの大半を沖縄本島で暮らしていた池田には、この環境だからこそ育まれた思いが募り、この1冊が生まれた。

4章立ての構成の中に61編の短いエッセイが並び、どの項目も簡潔、かつ、船浮暮らしの様子が伝わってくる。一貫しているのは「あることがあたりまえではなく、無いことがあたりまえ」という考え方。

安易に使われがちな“普通”は、人それぞれ。人間はとかく比較対象を“ほかの人”にしがちだが、その判断基準があるばっかりに差別が起き、争いが起きる。こうした日常で生きる人にとっては、これが“普通”であり、比べるべきものではなく、それ以外の何物でもない。

池田は20代のうちに島に戻ったことを「世界一贅沢な日々を手に入れたような気がします」と綴る。一度、生まれた場所を離れたからこそ、そして、知らず知らずのうちに幼少期に育まれていた心があったからこそ、池田はこういう考えを抱けたのだろう。1冊読み終えると、池田がこの船浮での生活を“贅沢な日々”と表現していることに全く嘘がないことが伝わってくる。

61編の物語すべてに、私たちの生き方のヒントになる言葉が綴られているのだが、時に笑いも提供してくれる。池田の母親は船浮で小学校の先生をしていて、ある時、池田の姉の担任になったことがあるという。

そうなると、姉は家でも学校でも母親と一緒で、授業参観は母親が教える授業を父親が観に来て、三者面談は“はたから見れば家族会議”、家庭訪問は“母にとってはただの帰宅”と、小気味いい池田の文章も相まって、思わず笑ってしまう。

船浮暮らしから得た池田の素敵な61の言葉のプレゼント。世界が新型コロナウイルスで揺れる今、日常生活までもがパラダイムシフトしそうな中だからこそ、普遍的な池田の示唆が余計に胸を打つ。

「不便が残してくれたもの 西表島・船浮からのメッセージ」
発売中 1,700円(税別) ボーダーインク

「不便が残してくれたもの 西表島・船浮からのメッセージ」詳細