ページのトップへ戻る

沖縄|島ガールトップページへ

那覇で海産物のフードツーリズムを!
広告

Top > 沖縄島ガールエンタ(エンタメ) > 【本】エッセイを手に那覇の町へ出よう! 過去の那覇を妄想できるエッセイが刊行

【本】エッセイを手に那覇の町へ出よう! 過去の那覇を妄想できるエッセイが刊行

2015年7月23日

那覇まち放浪記 じゃけ

沖縄で編集者として活躍する新城和博氏は、このたび、時代とともに移りゆく那覇市の変遷を綴ったエッセイ「ぼくの<那覇まち>放浪記 追憶と妄想のまち歩き・自転車散歩」(ボーダーインク)を刊行した。

新城氏は1963年、沖縄・那覇市生まれ。月刊誌の編集者を経て、1990年よりボーダーインク社へ。コラムマガジン「Wander」の編集長を終刊まで務めたほか、数々の書籍の編集に携わりながら、自身も執筆家として「うちあたいの日々」「<太陽雨>の降る街で」「ぼくの沖縄<復帰後>史」などを著す。

本書は2部構成になっていて、第1部の「すーじ小(ぐわー)の角を曲がって 2007〜2009」は、「沖縄スタイル」(エイ出版)で連載したエッセイをまとめたもの。

第2部の「那覇の町を後ろ向きに漕いで渡る 2011〜2014」は、地元紙・琉球新報の「新報リビングニュース『週刊かふう』」の「沖縄点描」で連載したものをまとめ、加筆・修正した。

那覇に生まれ育った筆者が、自分の記憶の中の那覇と現在の那覇を重ね、筆者も知らない戦前の那覇を妄想し、那覇の町を歩き続けた、まさに、“汗の結晶”だ。“血と汗”ではないのは、筆者が那覇の町歩きを楽しみにしている点が行間からヒシヒシと伝わってくるため。

開南のバス停で南部行きのバスを待つ人を見ていて「不思議な、落ち着かない気持ち」になったり、駐車場の隅っこに掲げられた掲示板に「今は無き町の息づかい」を感じたり、とにかく“視点”が変わっていて、だからこそ、微妙な“町の機微”を感じ取る。

新城氏の“町愛”が150ページ目で昇華する。「市は立つ。そして消える。その呼吸のような繰り返しが、人と人を結びつける。いつも通りを歩きながら、ぼくはとても満足していた。市は幻のように美しい。」。筆者が主催する「えきまえ一箱古本市」での描写なので、「市」と綴っているが、それを「町」と置き換えると、同書全体を貫く筆者の想いにつながるような言葉の強さを感じる。

「その場所に、かつての風情を偲ばせる名残は、ほぼない。」と感じ、筆者は那覇の町歩きを始めたそうだ。“ほぼない”と言いながらも、200ページ超の書籍にまとめ上げる筆者の観察眼と筆力は本当に素晴らしく、まさに、アッと言う間に読み終えてしまう。

この本を手に那覇の町歩きをお勧めする。もしかしたら、泊港で汗だくになってアイスコーヒーをちびりちびりと飲みながら読書に耽る筆者に出会えるかもしれないから。

「ぼくの<那覇まち>放浪記 追憶と妄想のまち歩き・自転車散歩」
発売中 1,728円(税込) ボーダーインク刊

「ぼくの<那覇まち>放浪記 追憶と妄想のまち歩き・自転車散歩」詳細サイト