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【伊是名島特集3】おもてなしの心“イヒャジューテー”に触れる

2016年9月17日

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沖縄・伊是名島には、“イヒャジューテー”という今も伝わる習わしがある。その昔、伊是名に宿がなかった頃、島の人々は旅人を自宅に迎え入れ、手厚くもてなしていた。

人との出会いや絆を大切にする伊是名の人々。その習わしは今でも受け継がれ、島内の民家の縁側には、湯呑と急須とお茶菓子が用意されているのを目にする。これは「どうぞここで休んでいってください」の意味が込められているのだとか。

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集落を散策していると、庭先にはブーゲンビレアが植えられ、赤瓦屋根と開け放たれた縁側がある沖縄らしい古民家を発見。縁側には話に聞いた通りの“お茶セット”が…。はやる気持ちを押さえながら、ちょっとお邪魔してみた。

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「休んで行ってもいいですか~?」と声を掛けると、「どうぞどうぞ、休んでください」と出てきてくれたのは、この家の仲田初江(なかだ・はつえ)さん。「暑いですね~、どこから来たんですか?」と当たり前のようにお茶をいれ始め、見ず知らずの自分たちを迎え入れてくれた。

さっきまで近所の人が来ていてお菓子が減っているのを見ると、さらに足してくれて「はい、食べて食べて。ジュースも飲んで下さいね」と冷たい飲み物も人数分の倍を用意。

この時点で初めて訪れた家という感覚は吹き飛ぶ。緊張や照れくささがなくなり、不思議な安心感に包まれる。“久しぶりにおばあちゃん宅に遊びに来た”、まさにそんな感覚だ。たくさん話をしたくなる。

「“イヒャジューテー”っていつ頃からある習わし何ですか?」「これ(お茶セット)はいつもここに置いてあるんですか?」と聞くと「分からんよ~、生まれた時からここに置いてあるよ。これが当たり前だから。昔は朝起きるとここで、家族全員でお茶を飲んだりしながら、今日1日の予定を話し合ったりもしたね。今はいろんな人が来るよ。近所の人も。旅の人も」と、訪れる人を“あえてもてなしている”のではなく、“それが当たり前”と話す仲田さん。

人を疑うとか、用心するとか、そんなレベルではなく、それより先に“疲れたでしょう、休んで行ってください”と思いやりやねぎらいが先に出る。これこそが“イヒャジューテー”、伊是名の人々の心だ。日本人が持つおもてなしの心の原点を垣間見た気がした。そのうちに話題は仲田さんが若い頃の話へ…。

「私が若い頃は朝から晩まで働いて、子ども6人育て上げたよ。あの頃は畑を耕すのもサトウキビ刈るのも全てが人力ですよ。今は何でも機械がしてくれるけど、昔は難儀していたからね。子どもたちも学校から帰ったらすぐ畑に手伝いに行って。そんな時代ですよ。あなたたちから見たらもう原始時代ですよね、あの頃は。今はお友だちとあの頃に生まれて損したね~、って話して笑いますよ」と笑顔の仲田さん。笑っているが相当な苦労話だ。

「人生は山と谷の繰り返しだから、登っては落ちて登っては落ちて。私もいろいろなことがあった。でもいまは子どもも孫もたくさんいて、ひ孫もいます。その成長を見るのがとても楽しみです」と部屋に飾られた、たくさんの家族の写真を眺めて目を細めた。立派に成長した子どもや孫たちの写真は仲田さんの人生の証。きれいに額に入れられ、飾ってあった。宝物だと話していた。

帰り際、「長生きして下さいね」と声を掛けると、「分からないよ。生まれた時から運命は決まっているからね」と仲田さんは微笑み、「人生いろいろあるけどね、過去は始まらないからね。だからあなたたちも頑張ってくださいよ」と、逆に励まされた。

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“イヒャジューテー”が身近にある生活を長年送ってきた仲田さんの言葉は、一つひとつが温かく深いものだった。思いやりの心と長年の苦労から生まれる優しさに触れると、またここに来たくなる。仲田さんの家には再訪する旅行者も多いとか。お茶菓子に全国各地の土産が入っていることもしばしば…。

“イヒャジューテー”は人との出会いや一期一会の大切さを再確認させてくれるような、そんな習わしだった。お茶セットのある縁側、それは人との繋がりを感じながら、ホッと一息つける場所。伊是名島を訪れた際に見つけたら、ちょっと寄り道してみよう。

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